中国 CIAエージェントを射殺
非情な諜報戦
大和タケル
普段 あまり外に出ない間諜合戦
つまりspy関連の記事が続きました
まとめましたので ご覧ください
中国、CIA諜報活動を破壊=
情報提供者を殺害・収監
中国当局が2010年末から2年間にわたり、
米中央情報局(CIA)に機密情報を提供していた政府関係者ら
18〜20人を殺害したり、収監したりしたと報じた。
CIAはその後の数年間、中国内での諜報活動が不可能に
なったという。
CIAの元当局者らの話として報じられたところによると、
殺害された関係者は少なくとも12人に上った。
そのうちの1人は政府ビルの中庭で、同僚の前で撃たれたとされる
CIAが中国内で構築した諜報ネットワークが
事実上破壊されたこの事件をめぐっては、CIA内に
二重スパイがいたという疑いが浮上。
FBIが捜査に乗り出し、元CIA工作員に
嫌疑が掛けられたが、証拠がなく逮捕に至らなかった
中国で次々と要員が行方不明になることから
CIAは11年に徹底調査を始め、CIAの中国を管轄する
部門で働いていた元要員が二重スパイだった疑いを
強めが、逮捕に至る十分な証拠は見つからなかった
この元要員は現在、アジアの別の国に居住しているという
NYTなどより一部抜粋
日本人もスパイ容疑で拘束
中国で邦人男性6人拘束、スパイ行為を疑われた可能性
3月に山東・海南両省で
中国で今年3月、日本人の男性6人が山東省と海南省で
それぞれ3人ずつ、 年齢20〜50代とみられる計6人が
(澎湃新聞では70代とも) 当局に拘束されていたことが分かった
中国当局から日本側に3月、身柄拘束の通知があったという
「国家安全危害容疑」が浮上
青島港のある山東省や南シナ海を管轄する海南省は
軍事拠点が多く、スパイ行為を疑われた懸念がある。
拘束はなお続いており、在青島(山東省)、
広州(広東省)の日本総領事館が対応を進めている。
外電等
前回は北朝鮮に近いところで脱北者などに
接触したようですが 今回は特に
ベトナムに近い海南省での逮捕が気になります
中国の対越軍事基地等に近づいた可能性もあります
14年から施行された「反スパイ法」では最高刑は
死刑となりますので 無事に開放されることを願います
さて問題は なぜ米国側エージェントなどの正体が
バレたのか? ということです
それはやはり 米国に潜入している中国側スパイから
情報がもたらされたと見るのが スジでしょう
中国側のスパイ事件は近年 何件も発覚しています
多くがハニートラップ等の古典的手法を駆使して
工作活動を行っています
代表例をいくつか載せておきます
ハニトラに陥ちドローンなどの情報を
流したビショップ中佐には
禁固20年の求刑が待っていました
最初の記事ではCIA内に中国spyがいた可能性が
書かれていますが FBIにも実際に中国spyがいて
こちらは逮捕されました
しかも 活動時期がCIAのスパイと一致しています
Case of Kun Shan "Joey" Chun
チャンは、2016年3月16日にFBIに逮捕され
その時40口径の拳銃とAR-15小銃も押収されました
スパイとしては2006年頃より 活動が活発化したようで
FBIの監視システムやアクセス方法やFBI要員のデータ
などを収集しており 2011年には欧州旅行しています
(ここで直接中国側工作員と接触したか?)
そして 2012年にFBIの内部監査対象となり
16年に逮捕され その後は素直にスパイ行為を
していた事実を認めています
この事件で 最も気になる点は流失した情報に
米国政府のエージェントとして働く職員のIDカードや
または機密情報にアクセスする際の生体認証にも使える
560万本分の指紋が含まれていた点です
こうした個人情報と先のCIAの二重スパイの持ち出した
情報を組み合わせて 米国側のエージェントが身バレして
その結果殺害された可能性も十分に考えられます
更に捜査するFBI側にもっと協力者がいたとすれば
犯行のカバーも可能となり それがCIA内のスパイ容疑者の
逮捕を逃した要因になったと考えられなくもないでしょう
情報の非対称戦
中国の政府機関に欧米生まれの白人系が
入り込むのはほぼ不可能と思われますが
その一方で米国はもともとが移民の国であり
多数のアジア系が存在しています
ここに 要員の著しい非対称が生じています
その情報収集戦のギャップを埋めるための
一端として 米国を中心とするいわゆる
"アングロサクソン組"には有名なエシュロンが
あるといわれています
(公認されていないので都市伝説の域を出ないと
する意見も有りますが スノーデンの公開した
書類の中にも言及があったり 施設画像も複数存在して
いる点からも あっても不思議ではないでしょう)
エシュロン関連施設とされる画像
これは米国国家保障局/NSAが運用する
世界で最も大規模な情報収集システムであり
一説では300万/分の傍受能力といわれています
もっともそこから 本当に国家機密に通じる
有意なシグナルを拾い出すのは
相当に大変だと思いますが 強力なシステム
だろうと思います
懸念される情報漏えい
どれほど優れたシステムで情報収集をしても
それを運営するのは人間であり そこに篭絡をされ
情報がただ漏れになったり 敵のカウンターイン
テリジェンスに利用されるようでは 殺された
エージェントも無駄死にでしょう